美容院での時間をどう過ごすかは人それぞれだとは思いますが、私はほっておいてくれていい。
1人で雑誌を読んでいるほうが気楽でいいからだ。
雑誌も種類豊富だし、最近はタブレットを貸してくれて、読みたい雑誌が選び放題という場合もある。
ほっておいてオーラ全開の、そんな私にも、美容師のお兄さんはさわやかに質問します。
「今まで読んだ中で、1番好きな本は何ですか?」
気をつかって話を振ってくれたのだ。
ありがたくて涙が溢れそうになる。
ただ、1番好きな本がどれかなんて決められて?
好きな本を正直に言うべきかもわからない。
考え過ぎか。
白髪が増えるはずだ。
私のお気に入りは、大人になってからも何回も読み返した「赤毛のアン」ですが、これを言っていいものか悩む。
この歳で児童書ってどうだろう。
かといって、「湊かなえさんは好きだけど、「告白」と「贖罪」は特に面白かったです」などと言うのもためらわれる。
人間の、なんとも言えないドロドロしたエグい部分が描かれた作品だからだ。
どう見られたいねん、私。
悩んだ末「赤毛のアン」だと正直に答えた。「正直」がいちばん大事って長渕剛も言ってたから。
「それってどんな話なんですか?」と聞く美容師さん。
「赤毛のアン」を知らなかった。
そんな人もいるのね、逆に良かったわ。
世界名作劇をご存知ないのかしら?
昭和の子供たちは皆んな見たのよ。
ちなみに、美容師のお兄さんのおすすめは、「綾辻行人 十角館の殺人」だそう。大どんでん返しがあるらしい。
こうやって人のおすすめ本を教えてもらうのも面白いですね。
早速、図書館で借りて来たので、お正月に読んでみよう。
お正月から殺人。
皆さんのおすすめの本はなんですか?
あぁ、聞こえない…。