またこの季節が来てしまった。
春になって花粉に振り回され、やっと終わったと思ったら、今度は爬虫類(←字もいや)に怯えて暮らすことになるのだからやりきれない。
5月になるともう、私は庭にひとりで出ることはない。草抜きもいつも夫と一緒。とんだオシドリ夫婦だと思われているかもしれないがしょうがない。
だってト〇〇が出るかもしれないし。
言いたくなさすぎて、ト〇〇と呼んでいるが、察していただきたい。(トマトじゃないよ。トンボでもないからね。アイツよアイツ)
去年の夏、お隣の家の庭から出てきたト〇〇が、休憩をはさみながらうちの駐車場を横切り、うちの庭に引っ越してくる一部始終を震えながら見届けた。
止めたいが止められない己の無力さ…。
勝手に引っ越してくるなんてどういうつもり?
何でうちの庭に?お隣のほうが緑が多いでしょうに。
面と向かっては嫌だが、是非とも理由を聞いてみたかった。
そうなったらもう水やりも無理なので、夏休み中の水やりは息子に丸投げした。
今年は息子がいないのに、どうすれば良いのだろう…。
夜になると、ヤ〇〇も出る。だから、夏の夜はひとりで出かけないと決めている。
何でこんなに嫌いなのかはわからないけど、嫌いに理由なんかないのだ。
「北海道にはいてないから、北海道に住めばいいんちゃう?」なんてアドバイスをくれた人がいるが、北海道は本当に安全なのか?
行ったはいいが、北海道にも普通にいますよなんてことになると、期待していた分、絶望も大きいだろう。
私はもう生きてゆく自信がない。
そしてアドバイスをくれた人を恨むに違いない。人を恨んで生きるほど辛いことはないのに。
ト〇〇なんかのために、自分を見失ってしまう未来がこわい。
でも、こんな私でも役に立てる時がある。ハチだ。ハチは怖くないので、ハチの巣退治はリーダーを任されている。
ハチ集団と私との闘いは何日も続くが、ハチ退治用スプレーさえあれば私は頑張れる。だってリーダーだから。
私はG(←察してね)も退治できる。
「かあちゃーん」と焦った声を聞くやいなや、洗濯機の横に立て掛けてあるピンクのハエ叩きを持ち、カッコよく現場に駆けつける。
「まかしとき、かあちゃんは失敗しないので」と名台詞をパクり、一撃で仕留めてみせる。
そして、柱の影から見ている夫や息子を振り返り、もう大丈夫さとかっこよくキメるのだ。
あぁ、人のお役に立てるって素敵なことね。
そんなことより、水やりどうしよう。