「出世したんやな…」スーパーでいちじくを見つめてつぶやいた。1パック3玉入り398円(税抜)。高いわ、いちじくのくせに。
パックされながらも、なぜかすましているように見える。
田んぼや畑が遊び場だった子供の頃、いちじくの木はそこらじゅうにありました。
実家の畑にもあったし、川沿いの道にも何本も植わっていました。
それはどこかの家のものだったかもしれないけれど、子供たちが勝手に取って食べても怒られたりしないのどかな時代で、近所のおばあちゃん達にも取ってあげて一緒に食べたりもしました。食べ終わった皮は木の根元にポーイです。
まさに、ご自由にどうぞ状態だった。
「いちじくにお金は出せねえな」これが私の正直な気持ちであります。
でも、ちょっと待った。あんな、さほど甘くもなく食感もイマイチな、パッとしない(個人の感想です)いちじくをわざわざ買うのにはきっと理由があるはずだ。
もしや、栄養か?と閃いた私は調べてみることにしました。
「いちじくは食物繊維やミネラルが豊富で栄養価も高いフルーツです」…だって。
水溶性食物繊維のペクチンや、塩分を体外に排出するカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれており、女性ホルモンに似た働きをする植物性エストロゲン、タンパク質を分解する酵素フィシン、抗酸化作用があるポリフェノールの一種であるアントシアニンも含まれているそうな。
その栄養素の多さから「不老長寿の果物」と呼ばれることもあるらしい。
うぬぬ、すごい奴だったわ。美容と健康の両方で優秀なんだな。
「最近いちじくにハマってるねん。見るたび買ってしまうわ」と言ったお友達の言葉を全く共感出来ずに聞いていたけれど、「不老長寿」と言われたら、やっぱり見る目は変わるよね。
そして、いちじくのことを軽く見て雑に扱っていた自分を今さらながら恥じた。
とはいえ、やっぱりいちじくは買わないけどね。結局、「いちじくにお金は出せねえ」のだ。
買うならスイカがいい、そしてブドウよね。