脱力生活くらぶ

50代専業主婦 ゆるく生きてゆく

ウェイティングリストに書く名前について考える

お店が混んでいると、ウェイティングリストに名前を書いて待つよう言われることがありますが、そんな時、皆さんはどうしていますか?

先日、夫と行ったレストランは混んでいたので、ウェイティングリストに名前を書いて待っている人がたくさんいました。「2名でお待ちの〇〇さま」と大きな声で呼ばれ、「ハイ」と手をあげ順々に出て行きます。そして「〇〇さま、2名さまご来店でーす」と大声で席に案内されるのです。

「あの人は山本さんか。親子3人ね。でも子供がひとりとは限らんよな。来られなかった子が他にいるかも。その子の分はお持ち帰りにすればいいか」とか、「この人は野村さんね。6人はどうやって座るんかな。二席くっつけるのかな」などと、心の中で勝手にお節介を焼いていた。すると夫がポロリと言いました。「あんな大きな声で名前言って、個人情報ダダ漏れやなぁ」ってね。個人情報…。

「ほんまや!」私は平和ボケした自分を恥じた。そして急に怖くなった。店じゅうの人に自分の名前が知れ渡ってしまったのだから。けれども、私だって知っている。あの人は山本さん、野村さんに井上さん。

「次に書くときは偽名にすればいいんじゃない?」と私は夫に提案した。そしてどうせなら「ウソつけ!」と店員さんに思ってもらえるような名前にしたいと。

「ルートビッヒとかそういうのがいいな」と自分で言いながら、これは名前なのか苗字なのかどっちだろう?と思った。どっちでもいいか。私たち日本人はそんなことわからないのだから。

すると夫が「あれ?そっち?じゃあ、セバスチャンは?」と言ってきた。「セバスチャンは召使いみたいやからあかん」と即却下。

ムハンマドは?」と私。今度は夫が気に入らない様子だった。

マクドナルドでいいんちゃう?」と夫。でも、なぜか私にはグッとくるものがなかった。「マクダーナル」ってちゃんと呼んでくれるならいいけど、「マクドナルドさま」なんて別に面白くもなんともない気がした(全国のマクドナルド氏にお詫びしたい)

「あーたの好きな熱海富士から富士をもらって、〇〇富士にすれば?」と言った直後、そんな名前にしたら元力士なんだと思われて、この夫婦はさぞかし食べるんだろうなと期待されるに違いないと思った。そして「普通やん」などと思われるのも悔しいなと。「やっぱりなしなし」と速攻で取り消した。

オスマンは?」と夫。「いいねぇ、なんか強そうでいい」

「アームストロングなんてどう?」と私。アームがストロングなわけだから最強じゃないですか。いいでしょう?店員さんも「ウソつけ!」って思うだろうし。

「次はアームストロングって書くことにするわ」と晴れやかに発表した私に、夫は小さい声で言いました。「呼ばれて出ていくのがストロングゼロ(お酒みたいやね)の僕ってどうなんかな」ってね。

でも、確かにそういうストレスもあるかもしれないなとも思った。そして久しぶりに長命さんのことを思い出した。母の知り合いに長命さんというおじさんがいるのです。

私は長命さんの話が出るたび、長命さんの家が長寿家系かどうかということを知りたがった。私は昔からそういうところしつこいタイプだった。毎回毎回母に言います。

「長命さんって長寿家系かなぁ?長生きせなあかんっていうプレッシャーあると思う?」と。「どうやろなぁ」と笑うだけの母。

苗字が長命なのだから、「さすがだ」と言われるくらい生きなくてはというプレッシャーに押しつぶされそうになってはいないか。そのプレッシャーが寿命をちょっとだけ縮めてやしないか。どうなの長命さん。

「会った時に聞いてみて欲しい」と母に頼んだこともある。母は一度も聞いてはくれなかったけれど。

私は昔からこういうことが気になるタイプだったのか。相変わらずなんだな。そして長命さんはお元気なのだろうか。

皆さん、ウェイティングリストはどうされてますか?

 

AI先生が描いた、レストランのウェイティングリストに字を書く女性