脱力生活くらぶ

50代専業主婦 ゆるく生きてゆく

ゴミ捨てで逃げる

ゴミ捨て場が遠い。

家の周りは道が狭いので、ゴミ収集車が来てくれないのだ。

冬はしっかり上着を着て、雨なら長靴を履いて出るくらいの距離がある。

 

年明けに、ゴミを持って家を出たら、数分前に家の前を通ったはずの車が道の先で止まっていた。

止まっているように見えて、実は動いていたのだが、その先にはお爺さま。

台車にゴミを乗せて、ゆーっくり歩いておられる。

正しくは、ゆーーーっくり。

(ご高齢なので)

道が狭過ぎて、車がお爺さまを抜かせないようだ。

いや、端に避ければ車は通れるのだが、お爺さまはマイペース、ど真ん中をゆうゆうと歩く。

お爺さま→ 車 → 私。

私がだんだん車に近づいてしまう。

車を追い抜いても良かったけれど、それはやめて、この状況を楽しむことにした。

お爺さまに捕まると、また帰りが遅くなるので、距離をとっておきたかったというのもある。

ゆーーーっくり歩くのが面白くなってきた頃、お爺さまは目的地に到着した。

車は追い越し、私も遅れて到着。

ここから、いかに上手くお爺さまを振り切り家に帰るかが勝負だ。

捕まったら、1時間の自慢話スペシャルを聞くことになる。

(詳しくはこちら)

     ↓

datsuryokuseikatsu.hatenablog.com

 

「わしも歳とったでいかんわー」

私に話かけるお爺さま。

想定内よ、そんなの。

ダッシュで逃げるため、頭の中ではもうアキレス腱を伸ばしている。

「今日は寒いですね」と私。

カラス避けネットを持って差し上げ、ゴミをしまう。

ここで足を止めてはいけない。

まだ何か言っておられたが、笑顔で

「そうですね、あははー」と言いながら逃げた。

なにが「そう」だったのかはわからないが、我ながら見事だった。

でも、ちょっと冷たかったかしら。

世間話でも、ちょこっとしてから帰ればよかったか…。

後悔したりしなかったり。

反省したりしなかったり。