Sさんは学生の頃モテたらしい。
「自分で言うのもなんだけど、私めちゃくちゃモテたんだよね」と、真面目に言ってしまうほどだ。
おじさんの「俺、ケンカ強かった」に匹敵するのは、おばさんの「私、モテた」であり、本人以外は決して盛り上がらない武勇伝であると私は思っている。
とはいえ、どうモテたのかは聞いておかないと、気になって夜も寝られない。
Sさんは言います。「言いよる男は何人もいたし、陶芸で手作りのマグカップを焼いてきた男もいたのよ」と。
既製品では表現しきれない深い愛が尊い。けれども、目の奥が痛くなるほど韓国ドラマを見ている私には、そんなことくらいじゃ響かない。
花火をぶち上げたり、遊園地を貸し切ったり(古い?)、ブティックの端から端まで服を買ってくれないと。
「あなたは?」と聞かれたので「私はモテなかった」と答えます。ほとんどの人は、そう言うんじゃないかしらね?
すると、「あなたがモテなかったのは、〇〇だったり△△だったりするからじゃない?男は□□のほうが好きだからね」などと、私の見た目をディスるSさん(心が痛んで文字に出来ませんでした😢)。
さほどモテなかったという事実よりも、Sさんの言葉に凹んだ瞬間だった。
私にだって、若い頃があったんだ。ずっと50代のおばちゃんじゃないんだぜ。
「べっぴんさんや」と言ってくれるのは、いつだって父や祖母や親戚のおばさんだったけど、それでも確かに若くて可愛い頃があったんだー。
まあいいか。
怒ってないし。全然怒ってない。