世の中には、冗談が通じない人がいる。「一年中気温が20度〜25度くらいのとこないかな。そんなところで暮らしたいわー。どこかない?」なんてことを、冗談で夫に言ったことがある。
今年の夏も強烈に暑かったし、常に私は終の住処を探しているからです。
黙って聞いていた夫が、次の日、「あったで」と、少し嬉しそうに台所にいる私を呼びに来ました。
そして、私はパソコンの前の椅子に座らされ、カナリア諸島の記事を見せられたのでした。
カナリア諸島、可愛い名前だなと思ったけれど、どこにあるのかわからない。そう言うと、アフリカ大陸の西側、モロッコの近所にあると教えてくれました。
モロッコの場所なら誰でも知っていると思ったか。甘いな。私は知らなかったけどな。
しょうがないので、壁に貼ってある「学研の世界国旗地図」を見に行きました。モロッコはすぐに見つかったけれど、小さいからか島は見えなかった。学研、小学生にカナリア諸島を教えてやらん気だな。
年間平均気温が21度で、雨はあまり降らないカナリア諸島は、ヨーロッパの人々に人気の観光地であるらしい。
それから夫は、私にYoutubeの動画を見せました。それはそれは素晴らしいリゾート地で、島それぞれに違う良さがありました。先にひとりで見た夫が解説します。
「いいところやろ?一年を通して過ごしやすい気温やねんで。20度〜25度くらい。スペインやから、スペイン語なんやけどな」
さらっと言うではないか。気温は良しとして、私、スペイン語は「パエリア」と「アヒージョ」しか知らないけど大丈夫かしらね?どうかしらね?
時々、日本人に「てんぷーら」とか「すぅーしぃー(寿司)」などと声をかける外国人を見かけることがありますが、大抵の場合すべっている。
私もああなるのか?「アヒージョ」なんて言ってすべるのか?
言葉の壁が厚いわ。スペイン語がわからないばっかりに無口になる未来がつらい。
(A)年間平均気温21度だけど無口生活。
(B)気温38度の強烈な暑さが続くが、簡単に人と会話が出来る母国。
迷うまでもなく(B)よ。夫も無口なのに私まで同じようになれば、「陰気なアジア人よね、ヒソヒソ」なんてことにはならないか?
それに、こんなこと今さら言っていいのかためらわれるけど、島じゃないほうがいいわ。確かに昔、宝くじの使い道を聞かれて「淡路島を買う」と言ったことはあるけど、あれも冗談のつもりだった。
(淡路島は島だけど橋で繋がっているから問題なし)
明石に住んで、明石焼きを思う存分堪能し、趣味は釣りだと言ってみたい。
滋賀に住んで、琵琶湖の周りを毎日散歩したり、チェアリングなどをして過ごしたい。
大阪に住んで、ちょっと出れば何でもある生活にウキウキしたい。
定年まであと5年とちょっと、どこに住んでどんな暮らしをしようかと考えるのは楽しい。
AI先生のカナリア諸島。楽園だなぁ。