またひとつハラスメントの種類が増えましたことを、念のため皆さまにもお知らせしたいと思います。「どうするハラスメント」でございます。おそらく初耳なのではないでしょうか。
ハラスメントなどしているつもりはなかった…。加害者は皆そう言うのかもしれません。私だってそうです。善良が服を着て歩いているような人間なのですから。
息子と私が話をしている横で無言で座っている夫がいる。これがうちの基本スタイルです。
息子帰省中などは特に、息子と2人だけでしゃべっていては夫を仲間はずれにしているようで悪いので、良かれと思って話を振ります。
「将来、喫茶店を開くなら(100%ない)お店の名前は何にする?」とか、その程度のしょうもない話です。
「父ちゃんはどうする?」と聞くとするでしょう?すると、夫は適当に何かをするということが出来ない人なので、長ーい時間を使って考えます。
宙をにらみ、むつかしい顔をして考えます。質問内容の軽さと顔の暑苦しさが全く合っていませんが、本人は真剣なのです。
待ちきれないので「考えといてな」と言い残し、また次の話題に。そしてまた、次の「父ちゃんどうする?」をお見舞いしてやるのです。
すると、息子が言いました。「どうするハラスメントやな」ってね。
「どうする?」と聞きすぎているってことです。
私は良かれと思って聞いたのよ。それは優しさよ。だから、そんなに真剣に考えなければいいじゃないか。
ちなみに、考えた末の喫茶店の名前は「天下茶屋」だそうです。大阪にある駅の名前です。喫茶店と茶屋をかけたのですね。
私が間髪入れず「しょーもな」と感想を述べましたら、また息子が言いました。
「母ちゃん?オブラートって知ってる?」ってね。
オブラートといえば、薬を包んで飲みやすくするやつですやんか。息子にもそう言ってやりました。
けれども、包むべきは薬より言葉なのだそうです。
こうやって息子と私がヤイヤイ言い合っているのを見ながらも、別に良いよとも良くないよとも言わず、無言を貫き通すところはさすがです。
何も言わないということは聞いてくれるなってことなのかもしれませんが。
どう考えても、私は悪くないよね?夫も悪くないんだろうけど。