脱力生活くらぶ

50代専業主婦 ゆるく生きてゆく

祖母を懐かしむ日々

祖母は台風のような人だった。

140センチちょっとの小柄な体型の割によく食べ、大声で喋る(悪口多め)

平気で嘘をつき、私達を困らせることもあったし、母(自分の娘)とは年中ケンカをしていました。

ケンカも大声です。

わざわざ庭先で大声を出すこともありました。なんとも激しい母娘です。

近所の人は、またやってるなと思っていたと思います。

その祖母も晩年は認知症で、色々と忘れんぼになりました。

認知症だったと人に言うと、「可哀想」だと言われたことがありますが、私はそうは思いませんでした。

90歳を超えているんだから、忘れることが多くてもしょうがないと思っていました。

「○○ちゃん、パン買うてきてくれへんか」とパン好き祖母が私に言いました。(孫の名前は最後まで忘れなかった奇跡に乾杯)

「どんなパンがいいの?、食パンか?、あんぱんか?」と私。

「そうやそうや、あんぱんがええな。・・あんぱんて、どんなパンやったかいな?」と、ひとりノリツッコミをする祖母に

「あんぱん忘れたんかー」とお腹を抱えて爆笑する姉と私。

内孫なんて、こんなもんです。

つられて笑う祖母。

亡くなって、もう9年が経ちました。

お葬式の時、「おばあちゃんやったら、あの辺に立ってお葬式に来てくれた人を見てるんやろうな…」と考えた瞬間、泣こうと思っていないのに(思えって?)涙がドバーッと流れてきました。

悲しいと思っていないのに(思えって?)滝のような涙です。

涙はしばらく止まりません。

勝手に流れ続ける涙に、戸惑いっぱなしのお葬式でした。

その不思議な体験のことを家族に話したら、姉も私と全く同じ状態だったと言いました。

泣こうと思っていないのに(思えって?)、悲しいと思っていないのに(思えって?)涙が出続けたと。

あぁ、チャンネルが合ったんだなと思いました。

その祖母が時々夢に出てきます。

セリフ付きです。

「15分あったら掃除出来る」と私に言います。

「ケンカ売ってるんかな?」と思いました。

「掃除はおばあちゃんのほうが下手やったで」と。

昨年、机の上の薬の箱をカタカタ揺らして見せたり、えんぴつをスーッと動かす怪奇現象がありましたが、祖母の仕業ではないかと怪しんでいます。

そういうことやりそうだから。

なんだか懐かしくなりました。