お寺にお参りに行くたび、自分の雑念の多さに驚きます。もし雑念大会があったら、県代表に選ばれるかもしれない。
6月は義父の祥月命日なので、今日はお寺にお参りに行ってきた。いつも、夫と私で礼拝堂は貸切になる。
お参りは約25分で終わるのですが、今日もその25分の間、私は雑念と闘い続けていた。
位牌とお供え物をセッティングして、静かにお経が始まる。
私が集中しているのは、せいぜい最初の2分くらいだと思う。
お義父さん、ごめんあそばせ。
一年に一度の祥月命日なのだから、ちゃんとお参りしようと思えば思うほど湧いてくる雑念。
前世が尼さんだったって、以前占いの人に言われたことがあるけど本当だろうか?
集中集中!と心の中で自分に言った直後、あら、位牌堂の位牌の数が減ったんじゃない?…から始まって、なぜ減ったのかを考え始める。
前に来た時は、いちばん下の段までぎっしり並んでいたはずなのに、どうしたのかしら?
ははーん、永代供養の契約期間が終了したに違いないわ。
手前が古い位牌で、奥に行くほど新しいのかな。またはその逆か?などと、どうでもいい事を考える。
集中集中!とまた我に返った直後、お経を読む住職の後頭部のケガに気付く。
髪を剃る時に出来た傷かな。
そうか。右利きだと後頭部左下が剃りにくい場所なのか。
カミソリはどのタイプなんだろうなどと考える。もう止まらない。
さっきお庭で見せてもらった池の錦鯉が綺麗だったなと考える。
どれが好きかと聞かれたらどれにしようかな。オレンジ&黒と迷うけど、やっぱり黄色だなと決める。もちろん発表する機会はない。
違う違う、集中するんだと気を取り直し前を向くと、お供物のメロンが2つ。
もしや、あれはニセモノじゃないかと疑い出す。
前に来た時もメロンが2つあった。あれもニセモノだった可能性もなくはないな…などと考える。
それから私はメロンばかりを見ていたけれど、視力が悪い私にわかるわけがない。
確かめるチャンスは、焼香で前に出た時しかない。
メロン9、焼香1の集中力で前に進み出る私。
香をつまみ香炉にパラパラと入れなければいけないのに、お線香の上にパラパラ。
メロンがニセモノなのか確かめることに夢中で、手元がお留守だったのです。
私の焼香が終わるのを、少し離れて見て待っている夫の目は驚いて2倍に、声は出なかったけれど「あー!」の口になっている。
人は驚くと目が2倍の大きさになることを知った。
そしてメロンは2つともニセモノだったことを、念のため皆さまにもお知らせしたい。
雑念、どうしたらいいと思います?