年賀状すら書かなくなったこんな時代に、手書きのお手紙をいただいた。息子のアパートの大家さんからだ。
何かやらかしたのかとドキドキしながら開けてみると、そこには6月分の家賃を受け取りました(手渡しなので)というお知らせと、日頃の息子の様子が書いてありました。
いつも見守っていてくださる大家さんがありがたい。
おそらく、私たちが息子の初めてのひとり暮らしを心配しているんじゃないかと思って、お手紙をくださったんだと思うんです。そんな優しい気持ちにじーんとくる。
こんな風に、さりげなく人を気遣える人になりたいわ…。
先日、お友達から「息子ロスは大丈夫?」と聞かれました。
ロスとはどんな状態のことを言うんだろうか。日々つまらなくなったなぁとは思ってるけど、それもロスか。
まず私はテレビ仲間をロスした。息子と私は、世界名作劇場から始まって、アニメのハイキューや弱虫ペダル、韓国時代劇、高校野球まで、あらゆる番組を楽しんだし好みも似ている。
テレビに限らず、私の好きなもの嫌いなものを1番知っているのも息子だと言える。
テレビに爬虫類が映し出されると、「今見たらあかんで」と教えてくれたし、私を一瞬で黙らせる言葉も知っている。
「鉄瓶の内側を触ってやろうか」これを言われたら終わる。
以前、テレビのクイズ番組で「同じ漢字が2つ入る四字熟語は?」という問題がありました。まだ息子が高校生の頃です。
テレビの中の秀才高校生たちがビシバシ答えを出す中(威風堂堂、平平凡凡、三三五五、興味津津などがあります)、我が息子の答えは「欧陽菲菲(オーヤンフィーフィー)」このセンス!
こぬか雨降る御堂筋〜♫の「雨の御堂筋」を歌った欧陽菲菲。確かに同じ漢字が2つ入っていますね。珍回答に爆笑です。
この答えは秀才たちには出ないだろうなと誇らしい気持ちになったものでした。
笑いのツボ、大事だと思う。
夫はいい話相手にはなっても、爆笑にはなりません。興味があることも好みも違い過ぎるのです。
仕事から帰ってご飯を食べながら夫がYoutubeで見ているのは、松下幸之助さんの肉声動画。
「私利私欲が会社を潰す」「発展し続ける会社はどこが違うのか」など、幸之助さんの言葉が響いているようです。
家に帰ってきたのだから、仕事のことは忘れてはいかがかしらと思っている私にも、幸之助さんのためになるお話を教えてくれます。気持ちはありがたいけれど、仕事の話なので専業主婦の私には興味0パーセントの内容です。
それならばと、今度は私がとっておきを出す。ゆりやんの、淀川長治さんのモノマネです。絶品なのです。
何度見ても面白く、あははと笑う私の横で真顔で見ている夫。こんなに面白いのになぁと残念な気持ちになりました。
あぁ、息子と爆笑していた頃が懐かしい。こういうのをロスっていうんでしょうかねぇ?