脱力生活くらぶ

50代専業主婦 ゆるく生きてゆく

もみじの剪定

息子が冬休みに帰ってくるまでに、大掃除を全て終わらせて息子と遊ぼう。そう考えた私は、例にない早さで大掃除をスタートさせました。12月は忙しい。

大掃除の勢いのまま、庭のもみじの剪定もしました。私はこれでもかと枝を梳く。もみじは梳すぎぐらいで丁度いいのです。

そして、下部分の4分の3を切り終えて終了。本当は全部やってしまいたかったのですが、上まで手が届かなかった。なので、上部分4分の1は、夫に任せることに。

数日後、夫が庭に出ていきました。それをリビングから見ている私とネコ。

夫は木を見上げ動かない。むつかしい顔をして木を睨んでいます。場所を変えてはまた見上げる。そうやって、長い時間が過ぎてゆきました。

もしかして今日は下見だけなのか?そうなのか?

「まだ見てるで」と私。

「・・・」とネコ。

「こわいな」と私。

私は庭に出てみることにした。

庭に出ると、夫は棒で木の枝を突っついてみたり、腕を組んで考えたりしている最中でした。

ノコギリ、ハサミ、熊手などの道具を等間隔にきっちり並べてあるところを見ると、今日やってしまおうと考えているらしかった。

「何を考え中なん?」と私が聞いてみたところ、「いやぁ、どこを切ろうかと思ってな…」と、10人いたら10人が答えそうな、普通過ぎる悩みが返ってきたので、私はひっくり返りそうになった。

しようもない悩みに見合わない時間…。

真剣にもみじと向き合う夫には決して言えないが、3日前、私は同じ木を恐ろしくテキトーに切った。

あんなにテキトーに切ってはいけなかったのかもしれない。私はちょっとだけ反省した。

あのテキトー剪定を見たら、夫も悩んでいることがアホらしくなるに違いない。

けれども、夫の辞書には「行き当たりばったり」や「テキトー」なんて言葉は存在しないので、長い時間をかけて悩み考える。思う存分考える。

①「何を考え中なん?」

②「いやぁ、どこから切ったらいいかなと思って」

③「根元からでいいんちゃう?またすぐ伸びてくるで」

④「チョキン」

この①〜④だけを延々と繰り返す夫婦。

「さっきから20分、同じ会話しかしてないな」と言って夫は笑う。

よく笑えるなと私は思った。笑えない私は、なぜだかわからないけど負けた気がした。

私もあんな風にゆったりと生きたい。