脱力生活くらぶ

50代専業主婦 ゆるく生きてゆく

We Are The World と「ポップスが最高に輝いた夜」

ティービーワンダーの曲をYouTubeで聴いていると、AIが「We Are The World 」をすすめてくれる。

1985年にアフリカ救済のために作られたこの曲を、私は今でも聴いています。

ライオネル・リッチーマイケル・ジャクソンが作曲したんですよね。ビッグスターたちが、代わる代わるソロを歌い、コーラスを歌う。これほど豪華なメンバーで歌われた曲はないのではないでしょうか。

演歌歌手でも時々見かけますが、なぜ大御所になると、わざとテンポを遅らせて歌っちゃうんでしょうね?

歌のおねえさんみたいに、あ、違うわ。歌のオネェみたいに、きっちりテンポどおりに歌って欲しいな。こっちは一緒に歌ってるんだからさ。

そんな時、ピンチヒッターで私が歌うとしたら…、なんて考えが浮かんできました。これは、何事も我が事として捉えることがいかに大切かということを知るいい機会でもありました。

あんなに聴いた曲なのに、視点を変えるとまだ新しい気付きがあるのです。マイケル・ジャクソンは天使の歌声だし、レイチャールズもスティービー・ワンダーも神様だった。とてもじゃないけど代わりになんて歌えないワ。(他はいいのかって?)

ブルース・スプリングスティーンは個性の強い人ですが、ちゃんとテンポを守って歌う人だったし、シンディー・ローパーはパワフルで音域が広かった。

そして、視点を変えて聴いたとて、やはり大御所テンポの後は入りづらいということがわかりました。

「そんなに遅れたら入られへん…」ちょっと不満も出てしまいます。

ティナ・ターナーの後はむつかしいからイヤやと思ってるねん」と、念のため夫にも報告した。歌う心づもりをしていることも。

真剣な顔をして聞いていられる夫は本当に立派だなと思う。黙って頷いています。

「あーた、どこ歌う?」

気を抜いていたのか、「えっ?」と驚き息をのむ夫。まさか自分も参加させられるとは考えていなかったようです。仕方がないので、もう一度曲を聴かせて(見せて)あげました。

「いい?自分が歌うと思って聴くんやで」という母のような私の言葉に、夫はコクリと頷いた。

そして、あろうことか「マイケルのとこにしよかな。歌えるんとちがうかな」なんて言ったので、私はひっくり返りそうになった。無理やて。

私は必死で止めた。自分で選ばせてせおきながら止めた。

子育てでは、一貫性がないのは良くないなどと世間では言われているようですが、それでもやっぱりマイケルは…。母失格だった。母じゃないけど。

マイケル・ジャクソン以外でと、理不尽な注文を出された夫が次に選んだ人は、ブルース・スプリングスティーンだった。

「自分もあんな風に、絞り出す感じで歌えると思う」とのこと。ちなみに私は、ボブ・ディランでいく覚悟は出来ています。グーで殴りたいですか?

そんなことをしていたら、Netflixで「ポップスが最高に輝いた夜」というドキュメンタリー映画を見つけました。「We Are The World 」が作られた舞台裏が描かれた作品です。

あんなことやこんなことがあって、皆、へとへとになりながら寝ずに作ったんですね。全てはアフリカの人々を救いたい一心で。そんな優しさから生まれた曲だったんだ。なんか、ありがとう。ますます好きになりました。「ポップスが最高に輝いた夜」オススメですよ。