大阪の実家に帰った時、姉と買い物に出かけ、ついノリでベレー帽を買ってしまいました。
私は田舎に住んでいるので、大阪に帰ると買い物がとても楽しい。
選びきれないほど物がある状況に、舞い上がっていたのかもしれません。
売り場に置いてある帽子を、片っ端から被っては姉に見せました。
紅の豚が被っていたような、フライトキャップまでも試しました。そして、姉に向かって微笑んでみる。にっこり。
(フライトキャップ↓流行ってるんだってね)
「ええやんか」と姉は言います。もう面倒くさかったのかもしれません。
このフライトキャップは、とても耳が暖かかった。冬に自転車に乗ると、寒さで耳が痛くて困ることがあるけれど、そうか、帽子を被れば良かったんだ!
私は、何かひとつ買うことにしました。でも、フライトキャップは違う。
そうして、たどり着いたのがベレー帽なのです。
昭和のドアノブカバーのようにすっぽりと耳まで覆い、鏡を見ている私に「なんか違うな」と姉は言ったけれど、別に気にしなかった。
「気に入ったからこれにするわ♡」と言って買って帰ったのでした。
昨日、息子とビデオ通話をしていた時にも披露しました。
「どうかしら?」ベレー帽を被り、手にはポンカンをひとつ。ザ・テレビジョンの表紙を思い出し、画面越しにこれ以上ないほどのスマイルをして見せた。
「なんか間違ってない?ロシア兵みたいやで」と言う息子。柑橘類を持ってこんなに笑うロシア兵がいたら是非会ってみたい。いないと思うけどな。
コメント内容はさておき、息子が正直者に育ってくれたことには心から感謝したいと思う。
さらに、耳まですっぽり被る私に、防寒具としてベレー帽を被ってはいけないよと息子は言う。オシャレ帽子なのだからと。
手塚治虫みたいに、ふんわり斜めに被ってみたらどうだとアドバイスをされたけれど、とてもそんな気にはなれなかった。だってそれはもう、手塚治虫だから。
私はどうしていいかわからなくなったので、とりあえず隣にいた夫に被せてみた。(なんで?)
おじさんにベレー帽、それはもう、びっくりするほど似合わない組み合わせだったので、私はちょっとだけ自信が持てた気がした。
鰻に梅干し、天ぷらにスイカ、おじさんにベレー帽、決して一緒にしてはいけないと昔から言われているもんね。言われてない?
あぁ、ベレー帽ってむつかしいな…。どうしたもんかなぁ…。